雪原を歩くマンモス。その姿をもう一度見られるかもしれないと、本気で考えている会社がある。アメリカのColossal Biosciences(コロッサル・バイオサイエンシズ)だ。
同社が向き合うのはマンモスだけではない。ドードーやフクロオオカミなど、すでに姿を消した動物も研究対象にしている。だが、彼らが言う「復活」とは、古代の動物をそのままコピーすることなのだろうか。
まず、90秒で見る
映像はAI生成の説明用イメージです。実際の研究所、研究者、動物の記録映像ではありません。
01 / THE METHOD
マンモスを「クローン」するわけではない
Colossalが目指すのは、マンモスのDNAを丸ごと使って、昔と同じ個体を作ることではない。古い骨などから読み取れるDNAの情報を調べ、今生きている近縁種の遺伝子を編集する方法だ。
マンモスに最も近い現生種はアジアゾウ。研究チームは、寒さに強い毛や体つきなど、マンモスの特徴に関係する遺伝子を探し、ゾウにその特徴を持たせようとしている。Colossal自身も、目標を「マンモスの主要な特徴を備えた、寒さに強いゾウ」と説明している。実現しても、古代のマンモスの完全なコピーにはならない。[1]
この大胆な計画を立ち上げたのは、起業家のベン・ラムと遺伝学者のジョージ・チャーチ。研究室で積み上げられた遺伝子技術を、長い時間がかかる絶滅種の研究へ持ち込もうとしている。[2]
02 / BEYOND MAMMOTH
マンモスだけではない
ドードーの計画では、ハトの仲間が手がかりになる。フクロオオカミでは、生きている近縁の有袋類の細胞やDNAを調べる。対象ごとに、近い生き物も、卵や胚を育てる方法も異なる。「絶滅種を復活させる」は一つの技術ではなく、いくつもの難題を解く研究の集合だ。[3]
03 / THE DEBATE
「復活した」と言えるのか
2025年、Colossalはダイアウルフの特徴を持つ3頭のオオカミを発表し、「復活」と呼んだ。古代のDNAを調べて特徴に関わる遺伝子を選び、ハイイロオオカミの遺伝子を編集して生まれた個体だ。ダイアウルフそのものの細胞から育ったわけではない。[4]
この成果の評価には、二つの問いがある。失われた動物の特徴を再現できたか。そして、それを同じ種が戻ってきたと言えるか。研究者の間でも意見が分かれる。国際自然保護連合(IUCN)は、こうした試みを考える際に、絶滅種の完全な再現よりも「代理となる生物」が生態系で果たす役割に目を向けている。[5]
04 / WHERE WE ARE
いま、どこまで来ているのか
マンモスの赤ちゃんが誕生したわけではない。Colossalはゾウの細胞や、毛などの特徴を調べる小動物モデルの研究を進めているが、ゾウの妊娠・出産まで含む道のりには、まだ検証すべき段階がある。発表された成果と、将来の目標を同じものとして扱わないことが大切だ。[6]
一方で、ここで育つ遺伝子編集や生殖に関する技術には、今生きている絶滅危惧種を守る研究へつながる可能性もある。Colossalも保全への応用を掲げている。その効果は、個々の技術と生態系の中で確かめる必要がある。[7]
05 / THE QUESTION
絶滅を「取り消す」とは何か
マンモスが歩く未来を見てみたい。その気持ちは、この研究の強い入口になる。同時に、何が生まれたら「復活」と呼べるのかという問いも残る。
あなたなら、
どこに線を引くだろうか。
出典と制作注記
- Colossal Biosciences|マンモス計画
- Colossal Biosciences|チーム紹介
- Colossal Biosciences|対象種一覧・フクロオオカミ計画
- Colossal Biosciences|ダイアウルフの研究
- Nature Biotechnology|「復活」をめぐる議論・IUCN|絶滅種の代理生物に関する指針
- Colossal Biosciences|研究一覧・マンモス計画の工程
- Colossal Biosciences|保全活動・IUCN|指針
情報確認日:2026年10月1日。画像・動画はAI生成の説明用イメージであり、実際の研究成果を示す映像ではありません。研究計画と成果は今後更新される可能性があります。